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藤嶋 健人(東邦・1年)投手

Category : 選手レポート
                藤嶋 健人(東邦・1年)投手 176/75 右/右





                     「2年後はどうなっているのだろう?」





1年生離れした堂々としたマウンド捌き、一球ごとに奇声を発して投げ込む気迫溢れるピッチングスタイル。名門・東邦高校の主戦として、甲子園を大いに沸かせた一年生右腕。果たして最終学年までに、どのぐらいの投手に育つのだろうか?

(投球内容)

けして粗粗しい素材型ではなく、かなり中学時代から高いレベルで揉まれてきたんだろうなというのが想像できるほど、しっかりした投球を魅せる投手です。むしろスケールで魅了するタイプではなく、すでにある程度完成された総合力を感じます。スカウトによっては、将来は野手として考えた方が好いのではないかという意見さえ飛び出しました。

ストレート 常時140キロ前後~MAX144キロ

1年生としては破格の、常時140キロ台の球速以上に驚かされるのは、ズシリと非常に球威のある球を投げ込んで来るということ。すでにそのボールの厚みは、ドラフト候補の匂いすら漂わせます。更にそのボールを、両サイドに投げ分けるコントロールもあり、ストレートのコマンド能力はかなり高いと言えるでしょう。ただしフォームが合わせやすいのか?右打者外角に浮くストレートを、簡単に合わせられるボールの見やすさがあるのが課題でしょうか。

変化球 カーブ・スライダー

変化球は、ブレーキの効いたカーブと、横滑りするスライダーとのコンビネーション。特に打者が一巡する頃には、変化球中心で投球に組み替えるなど、ある程度いろいろな投球パターンができる引き出しを持っています。カーブが時々高めに抜けることはありますが、おおよそ外角に変化球もコントロールできます。打者を仕留めるほどの威力はありませんが、コンビネーションの中に、上手く変化球を溶け込ますことが出来ています。

その他

牽制も適度に鋭いものを入れることで、走者の足を警戒。クィックも1.1秒台で投げ込めるなど、すでに基準レベルに到達。フィールディングにも大きな欠点はなく、投球以外の部分にも問題がありません。

マウンド捌きは堂々としていますし、変化球を交えた投球術にも違和感はありません。

(投球のまとめ)

ただ気合だけで相手を圧倒するのではなく、それに見合わっただけのボールの威力・投球術・制球力を兼ね備えており、投手としての総合力はかなり高いレベルにあります。すでに強豪校のエース級の力はあり、ここから更に上積みが見込めるようであれば、ドラフト候補として今後注目されることになるでしょう。



(投球フォーム)

ではこここからは、投球フォームを分析して、今後の将来像を模索したいと思います。

<広がる可能性> ☆☆

引き上げた足は地面に向けて伸ばすので、お尻はそれほど一塁側には落ちません。そのため体を捻り出すスペースは充分ではなく、カーブで緩急をつけたり、フォークのような縦に大きく落ちる球種には適しません。しかしその割には、カーブを結構使ってきます。

「着地」までの粘りは平均的で、それほど体を捻り出す時間は確保出来ていません。今後の課題としては、変化球のキレ・曲がりという部分において、武器になるほどの球が習得できるのかには疑問が残ります。

<ボールの支配> ☆☆☆

グラブは最後まで体の近くで抱えられているので、両サイドの投げ分けは安定しやすいはず。実際の投球でも、両サイドへの投げ分けは悪くありません。

ただし足の甲での地面への押し付けが浮いてしまっていて、浮き上がろうとする力を押さえ込めません。そのため力を入れて投げると、ボールが高めに浮いてしまう傾向にあります。実際の投球においても、高めに甘く入った球を痛打される場面が目立ちました。「球持ち」も平均的で、指先の感覚も並でしょうか。

<故障のリスク> ☆☆

お尻が落とせないフォームなので、体を捻り出して投げるカーブやフォークといった球種を多く投げるようだと、肘への負担は少なくありません。カーブを多く投げる投手なので、その点では心配。

振り下ろす腕の角度がある投手の割りに、腕の送り出しには無理を感じません。そういった意味では、肩への負担はそれほど大きくはなさそう。結構力投派のところもあるので、肘の故障には注意。

<実戦的な術> ☆☆☆

「着地」までの粘りがそれほどでもなく、体の「開き」もやや早くなっています。その辺が、コースを突いた球でも苦になくはじき返されてしまう要因ではないかと考えられます。

腕を強く振れるので、速球と変化球の見極めは困難。足の甲で地面を押し付けられないので、まだ充分下半身の体重移動ができず、打者の手元までの勢いが物足りません。これに「球持ち」もよくしてバックスピンもかけられるようになると、伸びるのある球質が実現できるはず。

(フォームのまとめ)

投球の4大動作である「着地」「球持ち」「開き」「体重移動」では、「球持ち」こそ並ですが、ややあとの部分は物足りません。残りの2年間で、いかに実戦的なものに高められるかが求められます。

肘への不安ががあるフォームであり、高めに浮く球筋にも疑問が残ります。そういった意味では、今後伸び悩む要素は少なくありません。

(最後に)

1年生としては破格の総合力を持つものの、現状に満足して努力を怠ると、伸び悩んで期待ほどではなく終わる可能性も少なくありません。それだけに、どれだけ課題と謙虚に向き合い、それを改善してゆくのかが求められます。

体には馬力も感じますし、今後も努力を続けてゆけば、相当なレベルまで到達する可能性も秘めています。まさにこの秋~春までの取り組みが、今後の野球人生を決定づける、そう言ってもも過言ではないでしょう。果たして、今度遭うときはどのぐらいの投手に成長しているのか、楽しみにしてその時を待ちたいと思います。

(2014年夏 甲子園)
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テーマ : 野球全般
ジャンル : スポーツ

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